9月20日から26日までの1週間、今年も「動物愛護週間」が始まる。動物の愛護と適正な飼養への理解と関心を深めるために定められたこの期間に、どうしたら命ある動物が、人と安心して暮らせるのか、動物支援団体「ワタシニデキルコト」(通称・ワタデキ)代表・坂上知枝さんの活動を通して考えたい。

    今回は、一般家庭の無責任な多頭飼育崩壊から救出された猫たちの物語。あまりの数の多さから、自治体の運営する愛護センターでも、充分な医療が受けられず、生育環境も悪化していたことから、早急に引き出しを検討していた坂上さんのもとに、思いがけない救いの手が差し伸べられた。「ワタデキ」のメンバーによる寄稿でお伝えする。

    坂上知枝さんが2020年に設立した一般社団法人「ワタシニデキルコト」(ワタデキ)は、「人間の都合に振り回される動物を救う」ことを目的に活動する団体だ。坂上さんは、子どものころから捨て猫や捨て犬を保護しては、きれいに体を洗ってあげ、飼い主や里親を探していた。ワタデキを立ち上げて以降は、ボランティアメンバーとともに、自ら救助し、自宅でケアをしたり里親探しをする一方で、東京、千葉、福島などの保健所や愛護センターと連携し、地域猫の相談や里親探しが困難な心身に問題を抱えた犬猫の引き取りも行う。

    一般の家庭から50匹の猫を保護

    夏が尾を引く秋口、今年も「動物愛護週間」が始まる。
    毎年9月20日から26日にかけて行われる動物愛護週間は、命ある動物を大切にし、動物の愛護と適正な飼養について考え、理解を深めるために設けられている。私たちの暮らしに寄り添う動物たち。そんな動物たちが健やかに、そして安心して暮らすためには何ができるのか? 人と動物が共に幸せに暮らせる社会とはどのようなものなのかを、改めて考えてみる1週間だ。

    ワタデキは専用の保護施設を持たないため、坂上さんや坂上さんの家族、ワタデキスタッフやボランティアが手を挙げて、里親が見つかるまで預かる。写真は重い疾患があり、譲渡できない玄米(左)やミルクボランティア中の子猫たち。写真提供:ワタシニデキルコト

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    この時期は全国でさまざまな啓発活動が精力的に行われている。今回の記事では、ある2匹の保護猫たちについて紹介する。

    2025年4月、千葉市の愛護センターに50匹の猫が収容された。一般家庭の多頭飼育崩壊だった。

    多頭飼育崩壊とは、一般的には飼育者の許容数を超え無秩序に動物を増やしたことにより、適切な飼育ができなくなってしまった状態をいう。つまりは飼い主のキャパシティ以上に動物が増え、動物たちの健康や生命維持が不可能になっている環境だ。

    ウィルス検査を二度実施したところ、50匹の猫たちのうち1匹がエイズと白血病陽性、1匹が白血病陽性、4匹がエイズ陽性だった。みな歳は若く、1歳〜5歳程度だったが、多くが痩せて風邪を引いていたという。

    「私たちが最初に様子を見に訪れた際に、レスキュー時に協力した動物愛護推進員さんたちなどが引き受けてくださったので11匹がセンターを卒業していましたが、それでもまだ39匹が残っていました。
    まずは体の状態がよくない子を優先的に引き出そうということで、エイズと白血病が陽性の白猫、かじられたのか、片耳が半分なくなっていて首には怪我を負っている茶白、片目の悪い2匹の子猫とその母猫の計5匹を引き受けました」(坂上)

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